MMAの暴れ馬

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【UFC】ダナ代表、不可解なドクターと2つのNC、ローブローのその後、マカチェフの“クロコップ”キックと次戦の相手、“MVP”との交渉、噂の「ゼロTDディフェンス」ダゲスタン戦士を語る


◆「『砂漠にいる』は間違ってないな」(ダナ代表)

──ノーコンテストとなったマゴメド・アンカラエフvs.ジョニー・ウォーカー、ビクター・ヘンリーvs.ジャビッド・バシャラートのドクターのふざけた裁定についてはどう感じていますか。

「あの人は経験が浅かったんだろう、色々あるだろうけど。おそらく、ドクターの質問としては『今、君はどこにいる?』というもので、回答が『砂漠』だった。(肩をすくめて)まあ、間違ってないわな。(記者から苦笑)。まあ思うに両者の間に、越えがたい言葉の壁というのがあって、経験不足っていうのもあって、ケチがついたね。時として起こりうることのひとつではあるが、我々としては正しい方向に修正していかなくてはいけないことだ」

ウォーカー(SNSから)「『戦い続けたいか』と聞かれたので『イエス』と答えた。『どこにいる?』と聞かれたから間違ったことを言いたくなかった。アブダビと答えようと思ったが……。『大丈夫だ。俺はクソ砂漠にいる。俺はここにいる。俺は大丈夫だ』と答えた」「破っても罰則のないルールになぜ従わなければならないのか? もし彼が反則をして優位に立てるのなら、私にもできる。だからボールを蹴ってもいいし、首や背骨の後ろを殴ってもいい。ただのノーコンテストだろ」

アンカラエフ(SNSから)「近い将来、UFCダナ・ホワイトの経営陣に、また機会を与えてくれるよう訴えたい。ベルトへの道のりが長く険しいことは承知しているが、同時にそれは険しく正直なものであり、それだけに価値がある」

──ミドル級でハムザット・チマエフがカマル・ウスマンに判定勝ちしました。ミドル級でのチマエフの今後についてはどう考えていますか。

「怪我などなければタイトルマッチを準備したいと思っている」

──敗れましたが、カマルも2R、3Rにテイクダウンを切って打撃で巻き返しました。

「その通り。彼はきっと5Rあったらまた違った面白い展開になっていただろう」

──今後のウスマンの階級はどうなりますか。

「カマル次第だ。彼のキャリアはウェルター級の“GOAT”というのは十分名前が刻まれて、今回はミドル級で受けてくれたというのも彼が望んでそうしてくれたというのがあるから」

ウスマン(SNSから)「偉大であろうとし、挫折した。これが人生の旅なのだ。私は配られたカードに決して文句を言わない。すべてはおかげ様だ。初心に戻り、もし神の思し召しがあれば、また来るよ」

──ミドル級でワーレイ・アウヴェスに跳びヒザ蹴りで勝利したイクラム・アリスケロフについて、「TOP10ファイターとやりたい」と言いましたが、さすがにランキング入りしていないUFC戦績2勝0敗の選手とやることになる選手を説き伏せるのは難しいところでしょうか。

「いい質問だ。答えとしては『イエス』なのだが、ランカーの誰かが彼と戦うことにはなるだろう」

モカエフには何かしらのことは考える

──フライ級で10位のティム・エリオットを肩固めで極めたムハンマドモカエフが「12月16日の『UFC296』タイトル戦(アレッシャンドリ・パントージャvs.ブランドン・ロイヴァル)のバックアップ選手になりたい」と発言しました。

「その話は、彼から裏で突撃されたよ。何かしらのことは考える」

モカエフ(SNSから)「アッラーに感謝を。11勝0敗(UFCでは5勝0敗)応援してくれて本当にありがとう! 僕のベストチームにも。僕はまだ若く、ケージの中でミスを犯すこともあるが、ジャッジに勝敗を任せることなく解決している! ありがとう、ダナ(ホワイト)、ミック(メイナード)、ハンター(キャンベル ※3人ともUFC首脳陣)」「アッラーが私たちのコミュニティを守ってくださいますように。私たちには平和が必要だ。子供たちは戦争を見て育ってはいけない!」

──ダゲスタン出身で英国在住のモカエフは米国で試合をしていません。ラスベガスで試合したがっていますが、ロンドンとここアブダビでの試合でした。米国で組むことも考えてますか。

「選手の子たちがここでやりたいという要望は、出来うる限りそうしてやりたいと思ってるよ」

──観客がバリケードを越えて、ケージサイドにいたパウロ・コスタを襲撃していた件については?

「今日ここに集まっていた客っていうのは火薬庫みたいなもんだったな、爆発寸前の。あんな風に客が選手を追いかけていく様なんて見たことがない。ともあれ、そこは大会側としては、問題は収集した」

──アーリープレリム出場の(体重超過した)2人の選手(マイク・ブリーデンとビクトリア・ドゥダコヴァ)が感染症黄色ブドウ球菌)だったことを告白しています。メディカルもクリアしてファイトウィークを迎えていたわけですが、それでも欠陥が。この辺り今後の改善点はありますか。

「いや。ほぼ毎週土曜にたくさんの試合を開催しているわけだけど、選手が嘘をついたり怪我を隠したりするつもりなら、家に帰るまでずっと嘘をつき続けることだ。なぜ嘘をついてまでそんなことをするんだ? そしてここに座って、感染症にかかっていたと言う。そんなのふざけてるだろ。正直な気持ちとしてはね。馬鹿げてるだろ」

◆“ゼロ・テイクダウン・ディフェンス”のダゲスタンファイターなんてすごいヤツだ

──デビュー戦のシャラプディン・マゴメドフ(MMA12戦無敗)のパフォーマンスについては? ガードポジションから打撃を打ち込んで勝ちました。

「あいつはバッドボーイだな。UFC初戦で“ゼロ・テイクダウン・ディフェンス”のダゲスタン出身ファイターだっていう(笑)。すごいヤツだと思った。気に入ったよ。この世界で将来有望かって? それは分からないけど、この場においては未来があるんじゃないか、テイクダウンディフェンスさえなんとかすれば。UFCで戦うにはちゃんとフルゲームができなくては。彼のキックボクシングはすごいし、彼のレッグキックもハイキックもすごい、そしてエルボーもだ。だけど、レスリング力をつけていかないと、ここではすぐにやられちまうよ」

──Bellatorがどうなるか分からないなか、Bellatorのライトヘビー級にはエメリヤーエンコ・ヒョードルの弟子でワディム・ネムコフという選手が王者でいて、階級のほとんどの選手を沈めてきています。興味ありますか?

「Bellatorのことについては不透明だけど、聞いた感じで印象は悪くないね」

──ヒョードルがUSAでUFC PIを使いたい場合はトレーニングを許可しますか?

「ん? ヒョードルはまだ戦う気があるって意味?」

──いえ、彼は引退しています。

「いいかい、UFC社の扉は常に彼の前では開かれていて、彼が望むのであればランチだってできるし、練習だっていつでもどこでも好きなようにしてくれていい。我々は彼の存在を歓待する」

──プレリムを無料で流したことについては?

「それはESPNの判断に任せている。契約において、コンテンツとしてどう扱うかはESPNに任せているんだ、まさしくカレッジ・フットボールのシーズンの只中で、ヘビースケジュールのなか、我々は毎週土曜日にスケジュールされている。どういう風にコンテンツを流通するかについては望むところだよ」

──MVP(マイケル・"ヴェノム"・ペイジ)と写真を撮っていましたね。契約についての交渉をするのですか。

「その子には我々も興味があり、向こうも興味がある。可能性はあるね」

──インド市場はどれほど重要ですか

「すべてのマーケットは重要だ」

◆ここでベルトを獲って防衛したハビブのように、マカチェフはさらに防衛戦をこなし、これまでなかったほどの活躍をしていくのかもしれない

──アレクサンダー・ヴォルカノフスキーが「1月に戻ってきたい」と言っていましたが。

「彼はハイキックでKOされたわけだからドクターのチェックも経て、目の上も縫合していたから、そこの回復も含めて、話は進める。メディカル的に問題なければ行けるだろう」

──マカチェフ自身は次の対戦相手に言及しませんでしたが、ダナ代表が妥当だと思う相手は? ジャスティン・ゲイジーか、あるいはシャーウス・オリヴェイラか?

「我々としてはオリヴェイラを用意し、オリヴェイラも準備していたなか、不運にも縫合が必要な怪我をしてしまった。自分としてはもう一度オリヴェイラだね」

(※試合後会見でマカチェフはオリヴェイラ戦について「良いアイディアではない」としながらもUFCオリヴェイラとゲイジーのどちらを選んでも受け入れることを語っている)

──マカチェフとハビブ・ヌルマゴメドフのキャリアを比べると、もう少しマカチェフが陽の目を見てもいいと考えますか。

「自分が言えるのは、今日は非常に大きな進歩なんじゃないか。つまり、完全に制圧した勝利であるということだ。前戦でちょっと議論になるような判定になったのを、今回はKOして見せたわけだから。そこにヴォルカノフスキーの準備期間どうこうの話は入り込む余地がない。“クロコップ”キックで文句ないフィニッシュをしたわけだ。相手はヴォルカノフスキーだ。誰も彼にそんなことをしたこともないし、あんな様を見たことがないのだから。ハビブがここでベルトを獲って防衛したが、この子(マカチェフ)はさらに防衛戦をこなし、この階級の戴冠者にこれまでなかったほどの活躍をしていくのかもしれない」

マカチェフ(SNSにて)「世界中のファンのみんなにありがとうと言いたい。対戦相手のアレックス・ヴォルカノフスキーには心から敬意を表したい! 次の試合へ」(GONG 格闘技)