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【RIZIN】榊原CEOが語る2024年の展望 未来 vs 平本蓮&皇治 vs 芦澤の行方は

 2024年の格闘技界はどうなるのか。格闘技イベント「RIZIN」の榊原信行CEO(60)が取材に応じ、新年の展望を語った。昨年大みそかの「RIZIN.45」(さいたまスーパーアリーナ)は大盛況で幕を閉じたが、その熱が今年にどうつながるのか気になるところ。注目の因縁対決、朝倉未来VS平本蓮と皇治VS芦澤竜誠の行方、さらに昨年、業界を揺るがした計量問題について、RIZINトップの見通しは――。

 今年中の実現が決定的な注目カードといえば、未来と平本の〝インフルエンサー対決〟だ。大みそかではリング下の未来に視線を送られる中、平本がYA―MANに判定勝ちし機運が高まった。榊原CEOは「早いタイミングで組みたい。未来も『平本がここをパスすればいつでもやります』と言っていたので」と今年の上半期に実現させたいと明言する。

 未来は昨年11月、YA―MANにオープンフィンガーグローブのキック戦で敗れている。そこで「未来はこれが復帰戦でもいいと思います。平本もその前に誰かとやらず、いきなりでいいんじゃないかと思います」と両雄とも次戦を決着戦にする可能性が高いとした。

 また、人気が高い2人の対戦だけに、最高峰のリングを用意する。「やっぱり熱のあるカードになると思うので、それなりの舞台を整えてやれたらなと思います。ドームクラスがふさわしいカードだと思います」。2021年6月以来となる東京ドーム大会の開催を視野に入れる。

 しかも、同大会ではボクシングの元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)と、元6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)の再戦を組むことも考えているという。

「そうなれば夏に向けてでかい『THE MATCH』級の興行をぶち上げられる」と榊原CEOの鼻息は荒い。22年9月25日には「超RIZIN」と「RIZIN.38」を同日にさいたまスーパーアリーナで開催したことを例に挙げ「また『2段積み』にする可能性も含めてチャレンジしたいと思います。それ以外のカードもいろいろそろうと思うので」と力を込めた。

 くしくも5月にはボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)も東京ドームで試合を行うことが有力になっている。タイミング次第では〝興行戦争〟になるが「その可能性もありますね。いいんじゃないですか、盛り上がって」と笑みを浮かべた。

 一方で明暗が分かれた皇治と芦澤の対戦は少し先になりそうだ。皇治三浦孝太に2ラウンド(R)TKO勝ちしたが、芦澤は太田忍に1RでKO負け。「今が(対戦の)正しい時期なのかどうか。皇治の方がだいぶ(MMAの練習を)やっている感じでしたからね」。3月には皇治の地元に近い神戸ワールド記念ホールで「RIZIN.46」を開催する予定だが、「ちょっと先のほうがいいかもしれませんね。でも2024年中には実現させたい」とした。

 今年は日本の格闘技界で頻発した計量問題にも積極的に取り組む。昨年6月にはフェザー級王者のクレベル・コイケ(ブラジル)が400グラム、大みそかバンタム級王者フアン・アーチュレッタ(米国)が2・8キロオーバーで王座剥奪となり、試合が条件付きで開催される事態となった。

 榊原CEOは「本当に1年、そういうのにどれだけ振り回されたんだという…」としつつ、「もっと突っ込んで、予備計量も含めて考えないといけないかなと。ただ、特に海外の選手は最後に大幅に水を抜いて合わせてくるので、ふたを開けてみないと分からないところがあるんです」と説明する。

 それでも「予防策として、特にタイトルマッチはリザーブの選手を用意することも含めて考えて臨むべきかなと考えています」と腹案を明かすなど、難題に向き合う姿勢を示した。

 今年も日本格闘技界は話題豊富な1年になりそうだ。(東スポ WEB)